五島列島(下五島エリア)ジオパーク
「五島列島(下五島エリア)ジオパーク」は、2022年1月に認定された日本ジオパークです。
日本最西端のジオパークである五島列島(下五島エリア)は、日本列島と大陸の間に位置しており、四方を海に囲まれた島々です。
五島列島の大地は、約2200~1700万年前に大陸の砂と泥が川や湖で堆積した五島層群と呼ばれる地層が基となっており、その後、火山の噴火によって火山台地が形成されました。
地質、地形、立地などから、多様な生態系、多種の魚に恵まれています。また、大陸と近いことから、大陸と関連する歴史(遣唐使、倭寇、潜伏キリシタンなど)や文化が数多く存在しています。
このようなつながりこそ、五島列島の魅力です。
ジオパークでは、見どころとなる場所をサイトと呼び、保全の取り組みをしながら、教育・観光などで活用しています。
サイトは、大きく3種類に分けられ、地質や地形の見どころを「ジオサイト(地質・地形サイト)」、生態系の見どころを「自然サイト」、歴史・文化の見どころを「文化サイト」としています。
現在(2022年4月時点)、67箇所がサイトとして選定されており、その中から主なものを紹介します。
五島列島(下五島エリア)の主なサイト
五島のシンボルである鬼岳は、約1万8千年前に噴火した火山。名前とは裏腹に、芝生に覆われたその優しい姿は、市民の憩いの場所になっています。景観や生態系保護のため、3年に1度野焼きが行われ、その様子はまさに噴火の再現のようです。
●鐙瀬溶岩海岸
鬼岳や火ノ岳から流れてきた溶岩からなり、黒々でゴツゴツした岩の海岸が7kmにわたり続いています。福江島の中で最も南に位置し、南方系の植物も多く分布することもあり、黒い溶岩とあいまってまるで「ハワイ」のような景観です。 鐙瀬ビジターセンターや展望台、遊歩道などがあり、美しい風景を楽しめる場所です。
福江島の最も西に位置し、東シナ海に突き出た大瀬崎では、高さ100mになる「五島層群」の大断崖が見られます。このダイナミックな断崖やその上に立つ灯台は観光スポットとしても有名です。また、大陸を目指すハチクマなどの渡り鳥や大陸系の希少な植物シマシャジンが観察できます。
平坦な台地が広がる舅ヶ島千畳敷は、畳千枚分の広さがあるとの例えから千畳敷と呼ばれています。千畳敷の先にある小島はマグマが固まった硬い岩石でできており、この小島が荒波から守る盾となっているため、侵食を免れ平坦な台地を残しています。
この場所が大陸の湖や川の岸辺だったころ、サイが水を飲みにやってきていたようで、サイの足跡と思われるくぼみが複数残っています。
八朔鼻は、火山噴火で流れた溶岩により形成された溶岩の上に砂や礫、泥が堆積した浜や干潟が広がる場所です。この八朔鼻には、狭い範囲ながら、長崎県で見ることができる海岸植物の約3分の1が生息していて、大変貴重です。そのため、住民による外来植物の駆除や漂着ゴミの回収が行われています。
(3)文化サイト
●石田城(福江城)跡
江戸時代末期、黒船来航を機に日本の最前線での外国船警備を目的に「海城」として築城されました。石田城の石垣は、鬼岳火山群から流れた溶岩(玄武岩)で、硬くて丈夫であるという特徴があります。
●円畑(まるはた)
まわりを石垣で囲んだ円状の畑は「円畑(まるはた)」と呼ばれています。農業が機械化される前、牛を使って同心円状に耕していたことから円状になったと言われています。円畑は、平坦な溶岩台地が広がる福江島北部の三井楽地区、南部の富江地区に多く残り、火山地域の伝統的な景観です。
サイトマップ
五島列島(下五島エリア)ジオパーク サイトマップ(2022年版)です。
(※クリックすると、拡大されたサイトマップをご覧になれます。)
日本ジオパーク認定までの経緯
関連
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