漁業者のためのQ&A

漁船の登録

Q1漁船の登録とは?

漁業に従事する船舶は、その所有者が主たる根拠地を管轄する知事の登録を受けたものでなければ、漁船として使用することはできません。また、漁船登録をせずに漁業に使用した場合は罰則が適用されます。

Q2漁船登録の手続きは?

(1)許可

長さ(登録長)10メートル以上の船舶を建造、転用、改造して漁船として使用する場合は、事前に知事又は大臣の許可を受けなければなりません。また、漁業許可、総トン数で知事許可と大臣許可に分かれます。

・許可の項目(建造、転用、改造別)

項目 許可の対象 許可の有効期間
建造 新しく漁船を建造するとき 1年
転用 一般船舶を漁船として使おうとするとき 2ヶ月
漁船登録抹消後、6ヶ月以上経過した船舶を漁船として使おうとするとき
改造 船体 船舶の長さ、幅、深さに変更が生ずる船体の改造をするとき 6ヶ月
長さ10メートル未満であっても、10メートル以上となる改造をするとき
推進
機関
長さ10メートル以上の無動力漁船を動力化するとき
種類(ジーゼル、電気点火等)又は馬力数(漁船法馬力、キロワット)の変更を生ずる機関換装をするとき
漁業
種類
漁業種類を変更するために船の構造又は設備を変更するとき

・知事許可と大臣許可の違い

知事許可 大臣許可
  • 10メートル以上で知事の漁業許可をうけるもの
  • 知事の漁業許可を要しない20トン未満
  • 10メートル以上で大臣の漁業許可をうけるもの(指定漁業及び特定大臣許可漁業)
  • 知事の漁業許可を要しない20トン以上
(2)動力漁船の性能の基準

漁船登録をするには総トン数別に、下表の基準に適合しなければなりません。

項目 20トン未満 20トン以上
船舶の
主要寸法の比
「幅/深さ」の比は2以上 なし
推進機関の
馬力数
計画総トン数 馬力数 計画総トン数 馬力数
4.0トン未満 330キロワット(70馬力)以下 20トン以上~30トン未満 1,010キロワット(250馬力)以下
4.0トン以上~6.0トン未満 450キロワット(90馬力)以下 30トン以上~40トン未満 1,130キロワット(310馬力)以下
6.0トン以上~10トン未満 540キロワット(120馬力)以下    
10トン以上~15トン未満 670キロワット(160馬力)以下    
15トン以上~20トン未満 890キロワット(190馬力)以下    
推進機関の
制限装置

ジーゼル機関を推進機関とする20トン未満全て適用(電気点火機関は除外)

なし
(3)認定

漁船の建造、改造等許可後、船舶がしゅん工又は改造工事が完成したときは、許可をした知事又は大臣の認定を受けなければなりません(計画総トン数が5トン未満の船舶を除く)。建造、改造等許可の内容と相違するときは認定を受けられない場合があります。

(4)漁船登録の手続き

新規登録
(建造、転用許可が必要なとき)
(10メートル以上)

変更登録
(改造許可が必要なとき)
(10メートル以上)

 新規登録
(建造、転用、改造許可を必要としない場合)
(10メートル未満)

  1. 建造、転用許可申請
  2. 許可
  3. 建造又は転用
  4. 測度申請、認定届
    (5トン以上)
  5. 測度
    20トン以上は運輸支局
    0~20トン未満は県
  6. 認定通知(5トン以上)
  7. 漁船登録申請
  8. 漁船登録票交付
  1. 改造許可申請
  2. 許可
  3. 改造
  4. 測度申請、認定届
    (5トン以上)
  5. 測度
    20トン以上は運輸支局
    0~20トン未満は県
  6. 認定通知(5トン以上)
  7. 漁船変更登録申請
  8. 漁船登録票交付
  1. 漁船登録申請
  2. 測度
    (県又は漁業協同組合)
    (まき網、ごち網漁業の場合は県が実施)
    ※県が測度をおこなう場合は、漁船登録申請前に実施
  3. 漁船登録票交付

Q3漁船を改造する場合は?

  1. 船体を改造したい
    漁船登録の手続き参照
  2. エンジンを載せ替えたい
    変更登録が必要です。また、10メートル以上の漁船については改造許可等が必要です。
  3. 無線を付けたい
    無線の開局免許状を添えて変更登録が必要です。

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